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小寒次候   水泉動[すいせんうごく]

大事なペットの健康祈願『ガランザサ祭り』

2016年1月14日更新
【キュレーター】中小田 美佳 山鹿エリア

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少しずつ寒くなってきましたね。
今日は、毎年1月6日に山鹿市熊入町(くまいりまち)にある若宮神社で行われている「大事なペットの健康祈願『ガランザサ祭り』」についてお話しします。
ガランザサ…名称の起こりは、鰐口のガランという音と、境内の笹が一緒になったものといわれています。
では、どんなお祭りなのでしょう。
 慶長年間、国主加藤清正公が山鹿への訪問中に、乗っていた愛馬が病気になり、若宮神社境内に密生していた小笹を食べさせたところ、たちどころに回復し、その霊験あらたかさに感嘆されたことから始まったといわれています。また、鹿本郡旧語伝記には「鎮座ハ寛永年中、当国ノ家士、小笠原備前建立タリ。コノ若宮ハ馬ノ病ヲ守護シ給フ御神ナリ」とあり、棟札の「牛馬安全為祈?」等に起源を持って生じた信仰ともいわれています。以来地元では霊験あらたかな馬の神様として農家の信仰を集めてきました。御神酒をそそいだ境内のガランザサ(笹)を馬に食べさせると病気をしないということで、昭和30年代まではまだ夜が明けきらないうちから、近郷近在の農耕や木材運搬用の牛馬が列を作っていたそうです。近年では、犬や猫などペットの無病息災祈願の参拝者がほとんどですが、農耕馬に代わって農耕機の参拝もよく見られる光景です。
 また、境内には御神石もあり、この由来はさらに古代にさかのぼります。景行天皇がご巡幸の際、乗られていた愛馬が病気にかかったため、難渋の末に若宮神社に祈念されました。その時、苦しみ騒ぐ馬の脚がこの石に当たり、石が三つに割れたところ、たちどころに平癒全快したのです。景行天皇は、愛馬の身代わりになったのだと臣下と共に感激され、この石を守護するように仰せられたのです。以来、村人達はこの石を神石として若宮神社と共に牛馬の守護神として崇敬礼拝するようになったといわれています。
 現在では、農耕馬やペットと一緒にお祓いを受ける光景が、たいへん珍しいお祭りとして、県内外から多くの参拝者が訪れています。ペット愛好家の皆さん、大事な家族の一員でもあるペットの健康祈願にぜひ足をお運びください。

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