立秋次候 寒蝉鳴[ひぐらしなく]
山鹿灯籠の醍醐味
山鹿灯籠は 夜明かしまつり ヨヘホ ヨヘホ♪
よへほ節のこの一節が、この祭りをとても良く表現していると感じました。
金灯籠(かなとうろう)を頭に載せた女性たちが、よへほ節に合わせて踊る「千人灯籠踊り」が山鹿灯籠まつりのクライマックスとして全国的に知られています。千人近くの女性たちの踊りは、それはそれは見事なもの。光の演出と、金灯籠のゆらゆらと揺れる灯りがなんとも幻想的で、“優雅”という表現がしっくりときます。
その「千人灯籠踊り」が終わると、大宮神社に各町が灯籠師に依頼してつくった灯籠が奉納されます。それを「上がり灯籠」と呼ぶそうです。
「ハーイ、トウロウ」
というかけ声とともに、各町の人たちが灯籠をかついで、大宮神社まで練り歩きます。まつりの最終日、16日の夜10時から1基ずつ灯籠を奉納し、それが終わったら直会(なおらい:祭事後の宴会のこと)が神社の裏手ではじまります。灯籠師が技術の粋をそそぎ込んだ灯籠がズラリと並んでいる光景は、これまた圧巻。一説では室町時代から続くといわれているこのまつりが、山鹿の地域の豊かさを表していると実感できます。
この「上がり灯籠」からの直会は、その昔は夜明け近くまで行われていたとか。だから、「夜明かしまつり」なのか!と納得したわけです。
山鹿灯籠まつりは、この奉納灯籠まで見ることが醍醐味ではないかと思いました。