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#014

春の海から届く、旬魚のたより

山里に新緑が芽吹き土が潤う頃、海辺にも爽やかな春の兆しが訪れます。 お祝いの席に、新酒とともに、家族との夕食に…旬魚の料理で春の食卓を囲みませんか。

今日は何の日?

03/19

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【二十四節気】
【七十二候】

熊本県は有明海、不知火海、天草灘に面し、豊かな水産物が育まれるところ。
春に旬を迎える熊本県産の魚の代表格として「桜鯛」が挙げられます。
寒い時期、天草の深い海で過ごす天然の真鯛は、桜が咲く頃産卵のために浅瀬に近づきます。
春本番になり、その頃に水揚げされるものを「桜鯛」と呼びます。
今回は春が訪れる頃(3・4月)に旬を迎える熊本県産の魚、魚のさばき方、魚屋さんと上手に付き合う方法などについて、熊本の魚のプロ3名の方に教えていただきました。

熊本地方卸売市場(田崎市場)の魚のプロ2名による 「春の魚のお話」と「市場ツアー」
“くまもと地魚マスター”による「春に旬を迎える県産魚のお話」

春は桜鯛、アサリ、甲イカなどが美味しくなります。

田崎市場で買参権(競り権番号56番)を持ち、鮮魚・マグロ・カジキの仲卸業を営む「福島商店」の福島英雄さん。福島さんは、熊本県「くまもと地魚マスター」の認証、水産庁「お魚かたりべ」の任命を受け、魚食文化の普及・伝承や、魚の調理法・食べ方を伝える講師などとしても活躍されています。福島さんに「春に旬を迎える熊本県産魚」についてお話を伺いました。
「自然のものですので、その時期の気温、降水量などの環境によって、旬や漁獲量は変わります。一般的には、3月に“桜鯛”、“アサリ”、“甲イカ”など、4月は“太刀魚(タチウオ)”、“キビナゴ”、“小さなヒラメ”などが美味しくなります」と福島さん。
「特に青魚は空気に触れるとどんどん味が落ちていきます。さばきたての魚の美味しさ、新鮮な魚の見分け方、保存法など伝えることで、魚の魅力をもっと知っていただきたいです」と、福島さんは言います。
2月末日、福島さんは10年ほどコーチを務めている小学校のサッカーチームの生徒さんの卒業を祝う「お鮨パーティ」を開催。6種の天然魚ネタのうち、1種(アジ)のさばき方を子供達と保護者の方に伝えるための講習会を行いました。子供達はウロコをとったり、三枚におろす作業に楽しそうな声を上げながら、一生懸命に魚と格闘していました。
何度もさばいているうちに、魚の扱い方も上手になるそうです。

【写真(左)】
熊本県「くまもと地魚マスター」に認証され、水産庁「お魚かたりべ」に任命されている福島英雄さん。NHK熊本放送局の「クマロク」の“田崎市場だより”にも出演し、旬の魚情報を伝えている。
【写真(右)】
福島さんに新鮮な魚の見分け方を教えていただきました。「新鮮な魚は全体に“ツヤ”があります。アジはお腹と背の高さがあるものが良いでしょう。“新鮮さは魚の目で見分ける”とよく言われますが、魚は新鮮なものでも環境によって目が白くなる場合があるので、一概には言えません」
さばきたての魚は味が違う!鯵(アジ)のおろし方

■福島商店(一般の方へ小売も行っています)

問合せ:096-323-2306

魚のセリ見学ができて、朝ごはん・お土産付き!「田崎市場 魚(うぉ)っちんぐツアー」

旬の魚と田崎市場がより身近に感じられる体験ツアー。

田崎市場の水産会社勤務を経て、現在、田崎市場で買参権(競り権番号14番)を持つ鮮魚の仲卸会社「遠水(とおすい)」と水産卸の会社「健水(けんすい)」を経営する横田健太朗さん。横田さんは「一般の方に、もっと田崎市場に親しみを持ってもらい、魚の本当の美味しさを知ってほしい」という思いから、平成26年春に「田崎市場 魚(うぉ)っちんぐツアー」を始めました。
「説明の声が参加者に届き、質問などにもすぐ答えられるように」と、参加者は1日限定4名まで。普段は一般の人が入ることができない卸売市場で魚のセリ見学をしながら、どうやってセリが行われるのか、市場に集まる世界の魚や旬の県産魚などに関する話を聞くことができます。その後、田崎市場内の「魚処 魚良(うおよし)」で美味しい朝ごはんをいただき。仲卸売場を回って買い物を楽しみ(自費)、帰りにはお土産までついて参加費は1人500円です(参加条件は小学生以上)。このツアーによって、旬の魚や市場の仕組みを知ることができ、熊本の食の台所・田崎市場がより身近な存在になること必至です。

【写真(上・左)】
活気溢れる、田崎市場内・魚の卸売市場のセリの様子。(通常、一般の方は入ることができません)
【写真(上・右)】
「田崎市場に多くの観光客や一般の方が訪れ、買物や食を楽しみながら魚に親しむきっかけの場になれば…」という思いから“魚っちんぐツアー”を始めた、「遠水」代表・横田健太朗さん。卸売市場では、卸売業者が出荷者から委託された水産物を、買参権を持つ仲卸業者が公開のセリ売などで競り落とし、仲卸市場内の店舗で小売業者や市場に買い出しに来る人に販売する。
【写真(下・左右)】
天草産の天然ヒラメ。「養殖ヒラメはお腹に模様がありますが、天然は真っ白なんです」「サバやアジが青魚と呼ばれる理由は、海で泳いでいる様子を上から見ると背が青く見えるからなんですよ」など、見学中に教えてくれる魚の話の一つひとつが興味深く、楽しい。
この日(2月下旬)、セリ落とされていた熊本県産ヒラメ、ガラカブ、サヨリ、茎わかめ、イイダコ、太刀魚(タチウオ)など。
田崎市場の市場会館のすぐ裏にある「魚処 魚良(うおよし)」で朝ごはん。新鮮なお刺身や小鉢が付くこのメニューも「田崎市場 魚っちんぐツアー」の料金(500円)に含まれる。この店では、仲卸売場で購入した魚介類を持ち込むと、手数料(100円~300円程度)で調理してくれる。
「魚っちんぐツアー」はお土産付き。この日いただいたのは旬の熊本県産のアサリ。酒蒸しにしていただきました。身がプリプリで味は濃く美味!

■魚処 魚良

所在地:熊本市西区田崎町380-63(田崎市場・市場会館裏)
問合せ:096-352-5262
営業時間:6:00~9:00/10:00~14:00/18:00~21:00(定休日:日曜・祝日)

■株式会社熊本地方卸売市場

所在地:熊本市西区田崎町484
問合せ:096-323-2001

魚屋さんが教える、魚屋さんとの上手な付き合い方

魚の旬を知り美味しく食べるには、魚屋さんと仲良くなること。

「魚屋は日本の文化です。皆さんにもっと魚を好きになってもらうためにこの仕事をしています」と「魚味旬味 魚勢(うおせい)」代表の森勢作さん。この店では、魚を刺身や三枚おろしなどにしてもらえるのはもちろん、手数料を払えばお煮つけ、塩焼き、天ぷらなど好みの料理に調理してもらえます。(隣にはお食事処もあり)
「魚の旬を知り、一番美味しい魚を食べるには、うちのような対面式の魚屋さんを見つけて仲良くなることです。“今日は刺身(塩焼き、煮つけ…)が食べたいんだけど、どんな魚が美味しいの?”と尋ねてくだされば、張り切って予算に合う魚をお勧めします」と森さん。「また、皆さんは鮮度が良くて歯ざわりがコリコリの魚が一番美味しいと思っていらっしゃるかもしれませんが、少し寝かせた魚の旨味の美味しさもぜひ味わっていただきたいです」
熊本県の「くまもと地魚マスター」にも認証されている森さん。魚には年に2回美味しい時期があること(産卵前と、産卵が終わってしばらく経ち栄養を体に蓄える頃)、魚がたくさん獲れる時期の保存の方法(三枚におろして冷凍すると、3ヶ月ほどは保存でき、フライや煮魚などで美味しく食べられる…)など、目からウロコのお話を教えていただきました。
魚屋さんと仲良くなり、美味しい食べ方や保存法などをたくさん教えてもらいましょう。

■魚味旬味 魚勢本店

所在地:熊本市東区花立2-3-11
問合せ:096-369-6959
※健軍店、ホームセンターダイキ東町店産直市鮮魚部もあり。
http://uosei.ecgo.jp/index.html(別窓リンク)
※「魚屋さんが教えるお魚のさばき方」(魚勢さんによる、魚のお腹だし、ヒラメ・ヤリイカ・甲イカのさばき方などをYou tubeで見ることができます)
http://uosei.ecgo.jp/page0143.html(別窓リンク)

【写真(上)(下・右)】
市場のような店内。「ヒラメ、刺身にしてください」「紋甲イカとアオリイカ、どっちが美味しいの?」と、お客さんも気軽に声をかける。
【写真(下・左)】
「魚味旬味 魚勢(うおせい)」(熊本市東区花立)代表の森勢作さん。手に抱えているのは天草産の「鰆(サワラ)」。鰆は出世魚で、大きさによって呼び名が変わる(サゴシ→ヤナギ→サワラ)。刺身、塩焼き、西京焼き、天ぷら、から揚げ、マリネ、燻製など、いろいろな味わい方ができる。
【写真(上・左)(中・左)(上・右)】
天草産メバル・ガラカブ・コノシロ・アオリイカ・ヒラメ・桜鯛・イトヨリ鯛、芦北産タチウオ、熊本県産ハマグリ…。この日も店にはたくさんの熊本県産の魚介類が並んでいた。
【写真(下)】
春の魚、天草産天然真鯛のお刺身。

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