#017

麦が実り、大地が潤う「小満」と「芒種」の頃

天地が命に満ち、秋の収穫に向けて種蒔きを行う頃。
この時期の風物詩「新蜜」「蛍」「麦」の話題をお届けします。

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麦が実り、収穫の時を迎える初夏。「麦秋」の“秋”は、季節ではなく収穫の時期を意味します。二十四節気の「小満(しょうまん)」の名称は、草木が生い茂り天地に命が満ちること、そして麦の収穫に一安心(小さく満足)する時期であることに由来します。続く「芒種(ぼうしゅ)」は、稲などの芒(のぎ=穂)のある穀物の種を蒔(ま)く時期を指します。麦が実り、梅雨により大地が潤うこの季節。夏本番を目前に控えたこの時期の風物詩「新蜜(採れたてのはちみつ)」、「蛍」、「麦(小麦粉を使った料理)」の話題をお届けします。
「新蜜」(採れたてのはちみつ)が味わえる季節

春のれんげ、みかんの花に続き、6月には菊池川沿いのはぜが黄色い花を咲かせます。

玉名市天水町で45年前から養蜂業を営んでいる大久保一俊さんは、先代から受け継いだみかん畑で農薬・化学肥料を一切使わない自然みかんの栽培にも取り組んでいます。大久保さんの天然はちみつは、丁寧なみつばちの世話と環境の整備、そして独自の採蜜方法により、80度以上という通常より高い糖度を誇ります。
3月にれんげ、5月にみかんの白い花、そして6月になると菊池川沿いにはぜの花が咲きます。6月以降は新蜜が味わえる、はちみつの「旬」の時期。全国的に珍しい「はぜ蜜」は、ハーブのような爽やかな風味が特徴です。
大久保さんが「花の種類はもちろん、みつばちが蜜を集める時期や場所によっても味わいや風味が異なる」と言うはちみつ。今年の春に花が咲いていた風景を想い出しながら、新酒やワインをテイスティングするように、採れたての「れんげ蜜」「みかん蜜」「はぜ蜜」の味の違いを楽しんでみませんか。

■大久保養蜂場

所在地:玉名市天水町小天214-4
問合せ:TEL.0968‐82‐2449
ホームページ:http://www.ohkubo-hachimitsu.com/

【写真(左)】
大久保さんの上質な天然はちみつは、みつばちの世話、巣箱の手入れや管理、環境の整備、独自の採蜜方法によって生まれる。
【写真(右)】
今年採れたばかりの「れんげの新蜜」。濃密で華やかな香りがふんわりと漂う。
【写真(左)】
玉名の逸品に与えられる「玉名ブランド」に認定されている「大久保養蜂場」のれんげ蜜、みかん蜜、はぜ蜜。
上質のオリーブオイルとはちみつを混ぜて、焼き立てのトーストに塗るのが、大久保さんのおすすめの食べ方。
【写真(右)】
菊池川沿いのはぜ並木は、国の登録記念物にも指定されている。5月になるとはぜの木に黄色い可憐な花が咲く。
大久保さんによると、今年(平成27年)は、れんげ・みかん・はぜともに例年より花が咲く時期が早いとか。
※写真は大久保養蜂場様よりお借りしました。
初夏の風物詩「蛍(ホタル)」のお話

熊本県内で出会える場所と、6月の催し

720(養老4)年に完成した「日本書紀」にも登場し、古くから日本人に親しまれている「蛍(ホタル)」。日本で生息しているといわれる約50種のホタルのうち、私たちが見る主な種類はゲンジボタルとヘイケボタルです。ゲンジボタルは5月~6月頃に、ヘイケボタルは6月~7月頃にかけて発生し、日没30分後から2時間の間に発光します。発光するホタルはゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルの3種のみです。
一年のうちに卵から幼虫、蛹(さなぎ)、成虫へと変化するホタル。春にカワニナを食べて成長した幼虫は雨天時の夜間に発光しながら陸に上がり、土の中で蛹となり、1ヶ月後に羽化して再び発光。その間にメスは産卵し、その後1週間ほどで短い生涯を終えます。
清らかな水と豊かな自然に恵まれた熊本県では、5月中旬から6月中旬頃(地域によっては7月上旬まで)ホタルの幻想的な風景を見ることができます。

6月6日に「ホタル観賞ナイトウォーク」が行われる上益城郡御船町水越。春の川にはクレソンが繁り、秋にはたわわに稲穂が実るなど四季折々の美しい自然風景と、こよみに寄り添う豊かな暮らしの風習が残っている地域だ。
※ホタルの写真は水越地域活性化協議会様よりお借りしました。
「麦秋」とは、麦を収穫する時期を意味します

上益城郡甲佐町産の小麦粉とニラを使用した、ビールに合う「特製ニラチヂミ」レシピ

黄金に輝く初夏の麦畑。秋に種を蒔き、冬の寒さに耐えて育った熊本県産小麦・大麦が5月中旬~6月上旬に収穫期を迎えます。大麦は玉名・鹿本・菊池・球磨地域、小麦は熊本市・宇城・玉名・鹿本・菊池・上益城・八代地域を中心に栽培されています。
今回、「くまもと手しごと研究所」上益城エリアキュレーター・加藤理恵子さん(「diningspace欒時」〈ダイニングスペース ランドキ〉代表)に、上益城郡甲佐町産のニラと小麦粉を使い、簡単にできる「特製ニラチヂミ」のレシピを教えていただきました。冷たいビールにも良く合うメニューです。熊本県産海苔(ピリ辛味がお勧め)で包んでどうぞ。

特製ニラチヂミの作り方

材料(2~3人分)
(A)

・小麦粉…90g
・ニラ…1/2束(3㎝程度に切る)
・たまねぎ(スライス)…1/2個分
・山芋(すりおろし)…150g
・干し小エビ…20g
・卵…1個
・白だし…50㏄
・豆板醤…小さじ1
・コチュジャン…小さじ1

■ごま油…適宜
■とろけるチーズ(フレーク)…適宜
■海苔(ピリ辛味が合う)…適宜

作り方
(A)の材料をボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。生地はお好み焼きの生地よりややゆるめ程度になるように、固ければ水少々を足して調整する。
フライパンを中火にかけ、ごま油をひいて①を半分流し入れ、丸く広げる。その上にチーズをふりかけて3分ほど焼く。
②に程よい焼き色が付いたらひっくり返して2分ほど焼き完成。焼きあがったチヂミを切って皿に盛り付ける(キッチンばさみで切ると形が崩れにくい)。海苔を4~6等分に切り、チヂミを包んで召し上がれ。
※生地に味がついているのでソースは不要です。
【写真(上)】
くまもと手しごと研究所」熊本市エリアキュレーター・眞藤隆次さん撮影の麦畑(上益城郡嘉島町)の写真。
【写真(下・左)】
熊本県産小麦粉・ニラ(今回は甲佐町産)を使用した「特製ニラチヂミ」
【写真(下・右)】
レシピ考案と料理を担当いただいた、「くまもと手しごと研究所」上益城エリアキュレーター・加藤理恵子さん
(「diningspace欒時」〈ダイニングスペース ランドキ〉代表)