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小雪初候   虹蔵不見[にじかくれてみえず]

寒中点

2023年1月9日更新
【キュレーター】小堀俊夫 熊本エリア

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1月7日、8日の二日にわたり、肥後古流小堀家初釜を執り行いました。
寒の内のこの時期、濃茶は「寒中点」という作法で行います。暖房が効いた座敷などと違い、冬の茶室は極寒の世界です。毎年1月18日に立田自然公園内の茶室「仰松軒」で細川三斎公への献茶式が行われますが、寒い年はそれこそ畳が氷を踏んでいるかのように冷たく、水鳥が池でスケートしていることもあります。このような寒気の中で、お客様には熱いお茶を飲んでいただき、茶碗に過度なストレスを与えないために工夫された作法が「寒中点」です。
冷え切った茶碗に最初にお湯を注ぐときは、まず少量を。様子を見て残りの湯を注いで茶碗への温度差のインパクトを軽減します。茶碗を温める「湯回し」は2回行い、「茶筅通し」をする前にお湯を入れた茶碗の湯気の上で茶巾をたたみなおすことにより、茶碗を十分に温めます。更に茶巾で茶碗を清めた後、通常はたたみ直す茶巾をそのまま捻じって水指の蓋に預け、茶碗が冷めないうちに茶を練っていきます。茶巾はお茶を出した後でたたみ直します。茶筅を洗う時は、通常は水指の水を直接茶碗に注ぎますが、ここでも温まった茶碗に冷水を入れることは避け、少量のお湯を入れてから水を加えます。ぬるま湯で茶筅を洗うことで、茶碗にやさしい扱いとなります。
このように、「寒中点」はお客様にも茶碗にも気を配る作法です。

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